「ごめんね詠都!転ばずに着けた??」

「そんなに毎日転ばないもん!!てか遅刻しないでよかったね美優ちゃん。」

「だなー。あいつうっさいからねー。」




あいつってのは担任の岡崎先生です。体育の担当で、いーっつもジャージでスリッパなのかサンダルなのかわからないけど、なんか汚いのを履いてる。授業ん時だけ普通のシューズ。私の顧問の先生でもあります。




「おはよー!!みんな居るなー??今日は特に連絡事項はない!!
誰かなんか話ある奴とかいるかー??」



岡崎先生のHRはいつもこんな感じ。必要最低限の連絡の後に、必ず私たちの話を聞いてくれるのです。そのせいかわからないけど、岡崎先生はみんなから好かれてて、『岡ちゃん』とか呼ばれてます。


「聞いて岡ちゃん!!好きな人ができた!!めっちゃ胸が痛いっす!!」

「おお!!相手はどんなだ!?」

「3年の相沢先輩ー!!」

「「無理無理!叶わないよそれ!!笑」」



今クラスの子が全否定された相手の相沢先輩ってのは、去年の学校祭でやったミス南川?だかなんだかの優勝者らしく、ほんとびっくりしちゃうくらい美人さん。

白くて透き通ったような肌は、テニスでこんがりしちゃってる私からすると憧れそのもので、髪の毛はふわふわで、触ったことなんてもちろんないんだけど、絶対猫っ毛だと思うの。遠目にしか見たことないけど背も高いし。モデルさんみたいなのです。