「ああもう!」

 最悪の目覚めで、リエはベッドから飛び起きた。

 昨夜は余りの事に、なかなか眠りにつけなかったのだ。

 なのに、こんなに朝早くから携帯が鳴る。

 相手など分かっていた。


『リエ、おはよう! いい朝だよ!』


 声が大きすぎる男の、モーニングコールだ。

 既に、あらかじめ携帯を遠目に構えていた彼女は、その声を確認するなり、「切る」のボタンを指で押したのだった。


 ツーツーツーツー。