そっと。

 目を開ける。

 丸メガネ。

「大丈夫か?」

 水、あるで。

 西部なまり。

 ああ。

 なーんだ。

 ハナは、もう一度目を閉じた。

 なーんだ、ワンコか。

 お酒でほわーっとなったまま、ハナはそう呟いたつもりだったが、微かに唇を動かすだけだった。

 口の中には、まだ酒の香りがいっぱい充満していて、思い通りにしゃべらせてくれないのだ。

「あたし…寝るから」

 それでも、ようやくそれだけ宣言した。

「ええで…」

 髪を撫でられる。


 変なカンジ。