謝られるよりも。

 それが、知りたかった。

「カイト…どうして?」

 勇気を込めて、メイはそう聞いた。

「どうして……帰ってきちゃったの?」

 ウェディングドレスの胸が、ドキドキと早くなる。

 直接、彼に真意を聞くことが、いままで余りに少なかったせいだ。

 まるで。

 まるで、カイトの胸の中に手を入れているように思えた。

 直接ハートに触れて、気持ちを探ろうとしているかのように。

 この手に感じるのが、柔らかい気持ちなのか、それとも電気のように痺れる気持ちなのか。

 あるいは、すごく痛い気持ちなのか―― どれなのか分からずに、胸だけが騒ぐ。

 お願い。

 つっぱねられるのが、怖かった。

 彼の触れて欲しくないところに触れてしまって、壁を作られてしまうのが怖かった。

 メイは、じっと彼を見た。


 カイトの愛に。


 触れたい。