結婚式?

 披露宴?

 転んだことに対してとは思えない言葉が、カイトから落ちていく。

 自身を責めているかのような声で。

 一体、結婚式や披露宴で―― あ!

 思い返すまでもなかった。

 今日起きた鮮烈な事件だったし、その理由には気づけないものばかりだった。

 だが、とてもじゃないが、普通の結婚式や披露宴とは違っていたのだ。

 駆け抜けたヴァージンロード。

 逃げ出した披露宴会場。

 この辺りについて、カイトは悪いと言っているのだろうか?

 そ、そんな。

 メイは、慌てた。

 彼が、こんな顔をしてしまうほど罪悪感を感じているなんて、思ってもみなかった。

 カイトの行動は、理解出来ないところが多々ある。

 それは、間違いない。

 どうして、そんな行動を起こしたかも、分からないことが多い。

 でも。

 謝られると、困るのだ。

 落ち着かない。

 確かに、披露宴を途中で抜け出してきたことについては、今頃向こうがどうなっているのか考えるのは怖かった。

 しかし、そうなると分かっていたにも関わらず、カイトはどうしてこんな衝動的な行動に出たのだろうか。