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一番、真ん前の席に案内される。
役職柄、会社内の集まりなんかでは、特別な席に座ることの多いカイトであったが、この席は今まで座った中で、一番イヤな席だった。
バックには、安っぽい金ピカが張り巡らされているし、メイとやや離れた席というのも気に入らない。
披露宴に、過去何度か出たことはあるが、よくもまああんな席に座れるものだと、毎度呆れていた―― 今度、呆れられるのは彼の番となったのだ。
これまで、ずっと彼らを追いかけていたライトが、ようやく消えた。
それで、少しはホッとしたものの、次の瞬間にぎょっとすることになった。
いままで暗かった会場内の全体の明かりが、ぱっと点灯されたのである。
新郎の席で、カイトは目を見開いた。
想像以上の人間の顔が、そこには並んでいたからである。
結婚式程度だと思っていたが、とんでもない話だ。
一体、どこからかき集めてきたのかと思うほど、知らない顔だらけである。
知っている顔もあった。
よりにもよって、一番真ん前の席に―― あのアオイ教授がいたのである。
誰だ。
呼びやがったのは。
シュウかソウマか。
おそらく、前者の方だろう。
何度だって、主張してもいい。
カイトは、大学中退なのである。
最終学歴は、高校なのだ。
だから、カイトには大学に、恩師などという存在はいなかった。
第一。
あんな男にゃ、世話になってねぇ!
勝手にかまってきたのは向こうだし、勝手にいつも怒り狂ってるのも向こうだ。
「最初に、新郎新婦に御来賓の皆様方からの、御祝辞を賜りたいと思います」
近くにいるシュウを睨みつけていたら、司会が披露宴の進行を始めてしまった。
一番、真ん前の席に案内される。
役職柄、会社内の集まりなんかでは、特別な席に座ることの多いカイトであったが、この席は今まで座った中で、一番イヤな席だった。
バックには、安っぽい金ピカが張り巡らされているし、メイとやや離れた席というのも気に入らない。
披露宴に、過去何度か出たことはあるが、よくもまああんな席に座れるものだと、毎度呆れていた―― 今度、呆れられるのは彼の番となったのだ。
これまで、ずっと彼らを追いかけていたライトが、ようやく消えた。
それで、少しはホッとしたものの、次の瞬間にぎょっとすることになった。
いままで暗かった会場内の全体の明かりが、ぱっと点灯されたのである。
新郎の席で、カイトは目を見開いた。
想像以上の人間の顔が、そこには並んでいたからである。
結婚式程度だと思っていたが、とんでもない話だ。
一体、どこからかき集めてきたのかと思うほど、知らない顔だらけである。
知っている顔もあった。
よりにもよって、一番真ん前の席に―― あのアオイ教授がいたのである。
誰だ。
呼びやがったのは。
シュウかソウマか。
おそらく、前者の方だろう。
何度だって、主張してもいい。
カイトは、大学中退なのである。
最終学歴は、高校なのだ。
だから、カイトには大学に、恩師などという存在はいなかった。
第一。
あんな男にゃ、世話になってねぇ!
勝手にかまってきたのは向こうだし、勝手にいつも怒り狂ってるのも向こうだ。
「最初に、新郎新婦に御来賓の皆様方からの、御祝辞を賜りたいと思います」
近くにいるシュウを睨みつけていたら、司会が披露宴の進行を始めてしまった。