あれから萄哉は無事退院を果たした


言ってしまえば、私達の関係なんか夢という名の儚い希望


それと見破られないように今まで隠し通しときた


「こんなの嫌だ!」とか「これが欲しい!」とか・・・好き嫌いの激しい萄哉


だけど、そんな萄哉だからこそ愛した


後残りは五年・・・・


卑屈な物だよね
人生ってのは


今日は土曜日。学校は休みだ


「ま―こ―!!出かけようよ〜〜」


「だ―め〜!あんたまた発作起こすよ!?」


そういえば二年前と全然変わったよね


髪だって黒だったのに、今は金髪だ・・・


けど、私は萄哉の髪はすごく好き


サラサラしてて女の子の髪の毛みたいで


それに引き換え私の髪の毛は・・・・
はぁ〜なんでこんなにバシバシなのよ〜〜っ!?


すると、萄哉が私の髪に触れた


「櫛貸してみ?まこの髪の毛すっげーキレーにしてやるよ♪」


いつもの萄哉だ・・・
なんかうれしいなぁ♪♪


「ありがと♪萄哉」


「どういたしまして♪でさ〜一つお願いがあるんだけど〜」


なんだろ?お願いって


「なに?ほら!言ってみ!」


「あ・・・のさ〜俺が駄目だと思ったらさ、まこのこのナガーイ髪の毛俺にくれねぇ?」


意味が解らない。駄目だって?駄目なんか言わせない


「ジョーダン止してよ!もぉ」


「ジョーダンじゃねーよ本気だ」


そういえば少してが震えてる・・・


声も少し乱れて震えてる・・・


そうか。一番死ぬのを恐れているのは私ではなく萄哉自身なんだよね


「いいよ。今あげるから好きなだけ切って」


今まで大切に伸ばしてきた努力の結晶。


萄哉の為なら惜しくないもんね!!


「はい!あげる!箱かなんかに入れて大切に取っといてよね!」


「え・・・こんなにいいのか??」


「うん♪いいんだ!つーかもう切っちゃったし」


萄哉の瞳から一粒


頬を伝い涙が零れた


私は片手で萄哉の涙を拭ってあげた


「何泣いてるの!男なんだからしっかりしなくちゃだよ!」