「ただいま〜!!真琴!さ!早く支度して!!!」


とうとうその時が来た


「お母さん。私、さ・・・産婦人科に行きたい」


戸惑いながら母は笑った


「冗談やめなさいよ〜っとに世話のかかる子ねっ」


と笑う。
もう気づいてるんでしょ?


「冗談じゃない。本気だよお母さん」


母はバシッと私の頬を叩いた


「おばさん、俺が悪いんです。無理矢理まこを犯しました。避妊をしわすれました。すみませんした・・・っ!!!」


顔を真っ赤に染めた母は萄哉を怒鳴り付けた


「なんてこと・・・っ!!?萄哉君はどうしてそんなことが出来るの!!!?別れなさい!!今すぐ別れなさい!!!お母さんは絶対に許しませんからね!!!」


アンラッキー・・・父も帰って来た


「なんだい!!?母さん!そんなに騒いで」


顔から目にまで血走らせフーフー肩で息をする母に父は驚きを隠せない


「なにがあったんだい?!真琴説明しなさい!」


「分かってる。言われなくても言うつもりだったから。私、妊娠しちゃったの」


父も同じように私の頬を叩いた


「馬鹿か!!!!?お前は!!?そんな子に育てた覚えはない!!!下ろしなさい!!!」


その時、萄哉が叫んだ


「悪いのは俺なんです!!!!!!」


次の瞬間萄哉が発作を起こした


「お父さん!お母さん!どっちでもいいから萄哉を病院に連れて行って!!!早く!!じゃないと萄哉が死んじゃう!!」


母が萄哉を病院に連れて行った


「お父さん・・・私――・・・」


「何も言うな。それと下ろしなさい。下ろしたくないと言うのなら、今後一切あの少年と関わるな。わかったね!?」


「ちょっと待ってよ!!お父さんっ!それは酷いっ!!酷すぎるよ!!」


父は、私を鋭く睨みつけた


「わかった・・・下ろしたくない・・・だから、今後萄哉とは関わらないよ・・・」


父はフーと胸を撫でおろした


今の私は、お腹の中にいるこの子を下ろす悲しみより、萄哉と関われない悲しみの方が大きい


その日を境に私は萄哉と関わらなくなった