あたしたちも一緒に歩き出す。

「しっかしこの家はどーなってんの!?
広すぎ…てかやること大胆だよね」

「はは、まぁお金持ちだから…
僕はあんまり好きじゃないんだけど」

「好きじゃない?」

まるで意味ありげな発言をする瑠衣杷。

「うん。僕はお金持ちってのが嫌なんだ。
そのせいで友達もできないから…
でもめいちゃんが住んでくれるし
緒里兄も増えるから、賑やかになり
そうで良かった」

「…そっか」

お金持ちって案外大変なんだな…

「はい、ここがめいちゃんの部屋だよ」

いつの間にか部屋のドアの前まで
来ていたようだ。