優理香が言うように、家の中はまだ誰も起きていないのか、静まり返っていた。 それを確認すると、愁はゆっくりとした足取りで、自室に向かった。 自室に向かう途中、「兄」の部屋の前を通った時、微かにテレビの音が聞こえた。 テレビを着けたまま、いつの間にか眠ってしまったのだろう。 もちろん、部屋に入ってテレビを止めるようなことはせずに、愁は「兄」の部屋を通り過ぎた。