鉢合わせしてしまい、二人は互いに気まずそうに目を逸した。



顔を見るのも何日ぶりのことか分からないほど、特にここ数日は全く顔すら合わせていなかったのだ。






視線を逸らしたまま、優理香が家から出て歩き出した。



しかし、優理香が出て行った後の玄関で、愁は中に入ることをためらっていた。



優理香が学校に行くような時間なのだ。


誰が起きていても、不思議ではない。



愁はできることならこれ以上、「家族」に会いたくなかった。