覚悟を決めたように、そして、どこか諦めたように愁は再び溜め息をつき、隣で急かし続ける敬治に声を掛けた。


「…神保、ちょっと耳貸せ。」


こそっと一言二言耳打ちすると、一瞬驚いたように目を見開き愁を見つめた敬治だったが、


「分かった!任せとけ!」


と、力強く言い切り、不敵な笑みを浮かべながら胸を叩いた。