「それで…これを受け取ったということは、俺たちにはもう、シャドウ…ってやつらが見えるのか？」





愁が尋ねると、ダークは再び不気味な笑みを浮かべ、答えた。





「さよう。恐らくここを出ると、君たちの目には今まで見えなかった世界が見えてくるであろう。そして、強き心の力に引き寄せられたシャドウたちが、君たちを襲うことも有るやもしれない…」




「…俺たちは、そんなに危険な位置に立たされているのか…」





瑞樹の呟きを気にも止めずに、ダークは話し続ける。





「シャドウたちに負けぬよう、君たちの健闘を祈っている。さあ、行きたまえ。」





「ちょっと待ちなよ！私たち、詳しいことは何も…」






結月の呼び止めにも応じずに、ダークは来たときと同じように突然、消えるように去って行った。