「今、君たちの前に、武器が現れたであろう?」






どこからともなく、ダークの声が響く。







「それは君たち専用の武器…君たちの能力…君たちの心…それら全てに合わせて作られたもの…」






「これが…俺の心の形に合わせて作られた…だって?」








だとしたら、なんて皮肉なことだろう…







もう剣道をすることができないのに、「剣」が武器だなんて…







「…竹刀じゃなかっただけ、まだマシかな…」




自嘲するように、愁は呟いた。












本当は、何があっても自分の中から「剣」の道に対する思いが消せる訳がないと、ずっと前から気付いていた。




気付いていながら、目を逸らした。











でも、今目の前にある「剣」は、誤魔化しようのない、愁の本音なのだ。