その日も、今日と同じように、よく晴れた日だった。



青信号

信号を無視して暴走する車という名の凶器

愁の体は――青い空へと飛んでいた



幸い、命に別状はなかったが、一瞬の出来事は彼の人生を完全に狂わせた。

剣道ができない――正確に言えばできない訳ではない。

竹刀は握れる。身体も動く。しかし、かつての愁とは明らかに違う。

この事実は愁を大いに絶望させた。かつて天才と呼ばれていた彼は、今の彼を許せなかった。



愁は剣道をやめた。

そして、彼は変わった。無気力で、深い付き合いを拒む人間に…