「勿論、普通の人間には『シャドウ』を見ることはできない。」



「見えないの?じゃあほっといてもいいんじゃない?」



理杏があっさりと言い放った。



すると、ダークはニヤリと笑って首を振った。



「いや、それがそういう訳にもいかないのだよ。確かに『シャドウ』たちは目には見えない。しかし、幽霊のように、『見えない恐怖』とも言えるものがあるであろう?『シャドウ』も、それと似ている…いや…もっと質の悪いものなのだよ…」





ダークの言葉は、確かに不気味なものだった。





しかし、六人の背筋に冷たいものが走ったのは、言葉のせいだけではなかった。






ダークの笑みが、この世のものとは思えぬ程、不気味だったのだ。