「あなたは…」


そう言って女が指したのは、白蘭の女生徒の方だった。



ひとまず、愁は胸をなで下ろした。




「日向 唯華(ヒナタ ユイカ)。白蘭学園高校2年。アマチュア界には敵は無いと言われるほどの弓道の腕前。プロにも通じるって評判ね。白蘭に転校して来たのは最近のことね。」



白蘭の女生徒は、戸惑いながらも、小さく頷いた。






ダーツを持った女の手が、ゆっくりと愁を指した。



しかし、女は愁について話し出す様子はない。





女の瞳が、どうする?と聞いているように、愁には見えた。