「…ねえ、唯華…」


それまで何かを考え込んでいた結月が、唐突に唯華に声をかけた。



「何?結月さん」


「今の話、驚いてたってことは…唯華もここに来るまでの間、シャドウには遭わなかったんだよね?」


「…?そうだけど…」



質問の意図が見出せず、きょとんとしながら唯華が答えた。



「なぁ結月、それがどうしたんだよ?」



訳が分からないという顔をしながら、敬治が尋ねた。



「いや…あくまでも仮説なんだけど、こうは考えられないかなと思ってね…」



「仮説?」



愁の問いかけに結月は頷き、口を開いた。