愁は、「バー・ナイトダーク」の前に立っていた。 外から見てもそこは暗く、重い空気が漂っていて、中に入るのがためらわれた。 しかし、来てしまったからにはここで引き返すのも、なんとなく面白くない感じがした。 ふぅっと溜め息を一つつくと、愁はドアノブに手をかけた。