「あぁ、本当だ。立原と鏑木が通りかかっていなかったら…もう駄目だったと思う。」



愁の重い告白に、唯華と結月は言葉を失った。



「理杏たちだって大変だったんだからー!ここに来るまで、三回も戦ったんだよ、三回も!!」


「三回!?」


驚きで目を丸くする唯華。結月は何かを考えているようだ。



「そーだよ、三回!ゲーセンで瑞樹と待ち合わせてちょっと遊んで来たんだけどさ、その間に三回も襲われるとか…マジわけ分かんないし。」


うんざりした声で理杏は嘆いた。


「さっきまであんなに楽しそうに話してたのにな。」


理杏の態度の変わりぶりに、瑞樹は苦笑した。