そこからは完全に二人のペースで戦いは進んでいった。



「さぁて、たっぷり仕返しさせてもらうからね!」


そう言うと、理杏は素早くシャドウに向かって行った。



「これでも食らいな!!」


理杏は彼女の武器である鞭を、まるで新体操で使うリボンのように優雅になびかせる。


いつか結月が、理杏が一番得意とする種目はリボンであると言っていたことを、愁はぼんやりと思い出した。



「そーれっ!」



掛け声と共に、それまで優雅に舞っていた鞭を、シャドウに叩き付ける。




強烈な音が辺りに響いたが、シャドウはそれほどダメージを受けているようには見えない。