愁が攻撃を始めてから、長い時が経った。



シャドウに小さな傷をいくつか付けることができたものの、未だに決定的なダメージを与えられずにいた。


愁の方はというと、もうだいぶ疲れが溜まってきていた。

額から汗が止めどなく流れ、呼吸は荒かった。


事故の後遺症が残る手の感覚は、もうほとんどない。





そんな愁の姿に、敬治は唇を噛み締めた。


逃げろと言われたものの、そんなことはできる訳もなく、愁の戦う姿をただひたすら見ていた。



いざという時には、自分が盾になる覚悟を決めて…