「…っ、やめろよ!」






突然の愁の大声に、敬治も悪友も驚き、動きを止めた。



「おいおい、そんなムキになんなって!」



悪友の一人が、ヘラヘラと笑いながら愁の肩に手を置こうと伸ばした。

愁は、それを自然にかわすと、悪友たちに背を向けた。



「悪ぃ、今日約束があったんだ。神保、行くぞ。」


「あ、おい愁!待てって!!」



立ち去る愁を、悪友たちの輪から抜け出た敬治が小走りに追った。



悪友たちは、その様子をただぽかんと眺めていた。