悪友たちと、何の目的もなく街をうろつく。 そんないつもの放課後を愁は送っていた。 考えなければいけないことも、考えずにいることはできたし、いつものようにこのいい加減な関係をそれなりに楽しんでもいた。 いつもと――昨日の出来事が起こる前と、何一つ変わらない放課後… 昨日のことは全て忘れようか… そんな誘惑に、愁は身を委ねようとしていた。