窓の外の風景は、いつもと変わらずのどかだった。




青い空に浮かぶ白い雲も、少し遠くに見える緑の山々も全部…









そんなのどかな景色を眺めていると、今朝の恐ろしい戦いが、ただの悪夢だったかのようにも感じてしまう。


少なくとも今愁が見ている景色の中に、シャドウという化物はどこにも見当たらなかった。







夢なら、夢でもいい。


むしろ、夢であったほうがありがたい。







だが、今自分が持っている剣が、あの戦いが夢ではなかったことを、愁に思い知らせていた。