結局愁が学校に着いたのは、午後の授業が始まった後のことだった。



愁が遅れて来ることなんて、日常的なことだったため、特に何かを言われることはなかった。


教師すら、もう愁には何も言わなかった。










――やっぱり見えてないんだな。




いつものように自分の席に着き、授業を聞く気もないように窓の外を眺めながら、ぼんやりと愁は考えていた。