血の繋がった『家族』の中にいる、血の繋がらない自分の存在…






しかし、いくら家に居づらさを感じても、何の経済力もない愁は、家を出ることができなかった。



父がきっと帰ってきてくれると、純粋に信じていた頃もあったが、今は全くそんな希望を抱いてはいなかった。










血の繋がらない『家族』の中にいて、唯一愁が安心できる場所は、8畳ほどの、自分の部屋だけだった。