私も慌ててカツヤの後ろに続いた。

「タイスケさん、遅くなってすみません。」

カツヤはいつものように明るく声をかけて、タイスケの真横に座った。

タイスケは問題集をぱたんと閉じて、カツヤの方に向き直った。

「おう。来たか。」

タイスケはニヤッと笑った。

そして、すぐ後ろにいる私を見た。

「仲良くご一緒にどうも。」

あ。

しまった。

結局、カツヤと二人で来たみたいになっちゃってるじゃん!

タイスケは、無表情のまま私から視線を外した。


「で、何?お前も俺と一緒に勉強したいわけ?」

タイスケは唐突に切り出した。

あまりにもまっすぐに突然切り出されたカツヤは一瞬たじろいだ。

「え、あ。ナツミさんから聞いて下さった通りです・・・。」

そこは、カツヤ、すぐに体勢を立て直す。

「三人で勉強するってねぇ。」

しばらく天井を見上げて、タイスケは大きく伸びをした。

「だけどさ。カツヤは受験まで2年あんだろ。こんな早くから始めたら、集中力続かねぇぞ。」

カツヤはだまったままタイスケを見つめた。

タイスケもじっとカツヤの次の言葉を待っているようだった。

「俺は、ナツミさんと一緒にいたいだけです。」

カツヤは静かに言った。

うわっ。

これまた恥ずかしいセリフがすらすらと言ってくれちゃうのねぇ。

私は聞いてられなくてうつむいた。

タイスケがその言葉を待ってましたとばかり、ニンマリ笑った。

そして、私の方を向いて言った。

「だってよ、ナツミ。どうすんの?お前勉強すんのか、カツヤと一緒の時間を過ごしてやるのか。」

わ、私にふる~?!

勉強したいのか。

カツヤと一緒にいたいのか。

そりゃ、もちろん、今は勉強したい。