「俺、ナツミさんときちんと向き合いたいから。ナツミさんも俺のこと信用してくれませんか?」

カツヤはそう言うと、コーラを一口ストローですすった。

「正直、今まで適当な恋愛ごっこしかしてきてなかったような気がする。彼氏バイトとか、本気で好きになってない相手となんとなく付き合ってたりとか。だけど、ナツミさんは本当に俺自身が好きで選んだ女性なんだ。」

カツヤの瞳がキラキラしていた。

きっとこの目でほとんど女性がノックアウトだね。

なんて、冷静に考えてる私って、やっぱり恋愛に乗り切れないタイプなのかしら。

でも、カツヤの表情や声のトーンは真剣だった。

私もここまで来た以上、きちんとカツヤと向き合わないといけないのかもしれない。

向き合って、なおかつ、乗り切れない時は、きちんとカツヤに伝えよう。

やっぱり、私が好きなのは・・・・。


「うん。わかった。私もカツヤのこと信じて、きちんと向き合うよ。」

カツヤはようやく安堵の笑みを浮かべた。

「よかった。この意見だけでも一致して。」

その言い方がおかしくて、私は吹き出した。

「カツヤって、笑える。」

「え?そう?俺真面目にしゃべってんだけどなぁ。」

カツヤは頭を掻きながら笑った。


ちょっと楽しい。

それから、しばらくカツヤと色んな話をした。

中学生の頃、嫌いだった先生の話。

どうして剣道部に入部したのかって話。

あまり言ってなかった自分の趣味。

本当にたくさん話した。

今まで知らなかったカツヤが少しずつ私に顔を出し始めた。