そうだわよ。

きっとカツヤの言うように、男女の友情なんて嘘っぱちかもしれない。

だって。

自分にはできなかったことだから。

だけど、あいつ、タイスケにはそれができたのよ。

だから、あり得るっつうの。

どちらかが友達としか思ってないって、ほんと辛いわよね。

でも、カツヤの彼女さんの場合、カツヤが一歩的にバイトだと思っていたのかもしれないよね。

こういう時、本当に男って鈍感っていうか、あてにならない生き物だと思うわ。


「ふぅ。」

思わず短いため息がこぼれた。


「すみません。ナツミさん疲れちゃった?こんな話ばっかりで。」

「うううん。別に。」

「本当に俺と付き合ってもらえるのかな。」

カツヤはぽつりとつぶやいた。

なんだかすぐに返事ができなかった。

「ごめんね。カツヤ。」

カツヤは顔を上げた。

「何に対して謝ってるの?」

「なんだか、男女の関係の話すら、私とカツヤの意見って重ならないよなぁって。きっとこれも私がこれまでろくな恋愛してこなかったせいかも。」

「そんなことない。それは俺の方だよ。」

カツヤはまたテーブルの上のコーラに目を落とした。