思わず目が泳ぐ。

「で、でもさ。好きでもない相手とキ、キスなんてできるもんなのかしら。」

やだ。

私何言ってんだろ。

「できますよ。少なくとも男は。」

カツヤはクールな顔をして、少し笑った。

「彼女さんは、絶対、違うと思うよ。きっと好きだったんだって。」

何をうろたえてるのかわからない私。

「ナツミさん。」

「はい？」

「結局、ナツミさんは何が言いたいんですか？さっきから。あの彼女と俺は別れるべき関係じゃなかったみたいな風に聞こえるんですけど。」

あ。

確かに。

でも、正直、そんな簡単に別れていいはずじゃない関係だと、素人なりに思うんだけどさ。

やっぱり私がそういうことに素人だから、そう感じるわけ？

「そういうつもりでもないんだけど・・・。いや、ていうか、カツヤが彼女ときれいに別れたみたいなこと言ってたけど、本当にそうなのかなーって。」