「ああ、普通に。『付き合いたいと思う人ができたから、もうこういう関係続けられない』って。」

「彼女さんは簡単に承諾してくれた?」

「もともと俺たちの関係は、どちらかに好きな人ができた時点で終わるっていう契約のもとで成り立ってたから。もし、俺より先に彼女にそういう相手ができたらそこで終わってるような関係だったんです。」

すっごいシビア。

そこまでわりきってそんな関係続けられるもんなの?

私には無理。

「さっきさ、カツヤも彼女さんがひょっとしたら自分の事好きだったかもって言ってたけど、その辺は大丈夫だったわけ?」

「それは・・・。わからないけど、彼女は最後まで笑顔だったし、大丈夫じゃないかな。」

笑顔??!

まじで?

それって、大人な女性だからじゃないの。

よくわかんないけど。

カツヤだって、1年半もそういう女性がいて、平気なの?

しかも、彼女さんとは似ても似つかぬ色気ゼロのこんな私に。

「本当にカツヤはいいのぉ?私なんかで。彼女さんの方がずっときれいだったじゃん。」

「ナツミさんはかわいいですよ。」

赤面スイッチがオンになる。

うわ。

こんな正面切って言われたの初めて。

はずかしー。

思わずうつむいてコーラを飲んだ。

「そういうとこ。」

カツヤはくすっと笑った。

あー、立場がいつの間にか逆転してるよ。