「俺、タイスケさんに聞いてるんっすけど。」

カツヤはクールなトーンで言った。

そ、そう、その通りよ。

カツヤ、あんたはえらい!

って、褒めてる場合じゃないんですけど。

「どうして、俺に聞くんだよ。」

「じゃ、もし、俺がナツミさんにモーションかけても、問題ないわけですね?」

「・・・。」

タイスケは仏頂面でだまりこんだ。

どうして、だまってるの?

タイスケは今何を考えてるの?

また鼓動が激しくなる。

あー。

心臓に悪っ。

「・・・ナツミが決めればいいんじゃない。」

タイスケは静かに答えた。

それって。

結局私任せってこと?!


「タイスケさんは、ナツミさんがもし俺と付き合うってなったとしても構わないんですね?」

少しいらついた声でカツヤは言った。

「ナツミがそれでいいなら、いいんじゃない。」

「そう・・・ですか。」

カツヤはうつむいて、長いため息をついた。

そして、私の方に視線を向けると、少し笑った。

「っていうことなんで。今後ともよろしく。」

そして、すくっと立ち上がると、タイスケと私に会釈をして図書館から出ていってしまった。

残された、タイスケと私。

これまた微妙な空気なんですけど。