「ちーっす。」

振り返ると、剣道部の後輩、山内カツヤだった。

「おう。カツヤ。」

タイスケは右手を挙げて、笑った。

「タイスケさん、相変わらず来るの早いっすね。」

「あたぼうよ。お前らとは剣道に賭ける思いが全然違うからな。お前も俺を見習えよー。」

はぁ。

後輩相手にくだらないこと抜かしてるわ。

カツヤは、私の方をちらっと見て会釈した。

そして、

「相変わらずお二人は仲良いですよね。」

と、結構クールに言い放った。

は?

カツヤってこんなキャラだったっけ。

普段は結構ノリいいし、かわいい系の男子だったんだけど。

柄にもなく、一瞬言葉を失うタイスケ。

こういう時、すぐに何か言い返せっての。