「と、とにかく、今は急いで着替えないといけないから。じゃ!」

私の腕を掴んでいたカツヤの手を払って、そのまま更衣室へ逃げるように駆け込んだ。

更衣室の扉をバタンと閉める。

まだ誰も来てない。

ふぅ~。

私はその場にしゃがみこんだ。

何よー。

何なのよー。

びっくりしたぁ。

深呼吸を何度も繰り返して呼吸を整える。

それでも、胸のドキドキはなかなか治らなかった。

今のって。

ひょっとして、今のって。

俗に言う『告白』ってやつ?

いや。

まさかね。

だって、カツヤにはあんなきれいな彼女さんいるんだし。

しかも、私みたく、全く色気もくそもない、かわいげのない年上なんて興味あるはずないもの。

うん。

単にカツヤにからかわれただけだわ。

そして、もう一度大きく深呼吸した。

随分、鼓動は落ち着いてきたようだ。