タイスケは二人分の食券を買って、食堂の中に入っていった。

中はにぎわっていたものの、まだまだ席は余裕で残っている。

一番窓際の席を確保すると、タイスケは

「俺、お前の分のランチもとってきてやるから、ここで待ってろ。」

って言って、私を一人残して食券と引き替えに行ってしまった。

なんか・・・。

一人だとこういう場所って居心地悪いよね。

お化粧もしてなくて、ださい格好してる私って、思い切り高校生だし。

ほおづえをついて、窓の外に目をやった。


あ。

カツヤと彼女。


窓の向こうは、こじんまりとした中庭っぽくなっていて、ベンチが並んでおいてある。

カップル達には絶好のたまり場所って感じ。

そこに、カツヤと彼女がピタッと寄り添ってベンチに座っていた。

うわっ。

なんだか見てはいけないような光景なんですけど。

でも。

目が離せない私。


二人は時折目を合わせて楽しそうに笑っていた。

やっぱり付き合ってるんだ。

その時。


キ・・・ス、した??


さすがに目をそらす。

だって、だって、カツヤが彼女に顔を近づけて!

きゃぁ。

生キス現場なんて初めて見たよ。

しかも、知ってる人の・・・・。

顔が熱くなってくる。

どうしよう。

もう一回だけ、窓の向こう見てもいい?