食堂までの道のり。

楽しげに歩く大学生達とすれ違う。

やっぱり楽しそうだなぁ。なんだか自由を満喫してるって感じ。

受験勉強も、もうしなくていいご身分だもんね。

って、当たり前だけど。

自分のことを考えると、ため息ばっかりついちゃうけど、ここまで行き着いたらしめたもんだもんね。

タイスケの言うように、がんばってみようかな。

「ここ。」

タイスケが指さす方に大きな食堂が広がっていた。

既に学生達でごったがえしている。

ショーケースに、「本日のおすすめランチ」が置いてあった。

うわっ。

おすすめランチって安い!しかもすごいボリューム。

「俺、これにするけど。」

タイスケが私の横でぼそっと言う。

「じゃ、私も。」

「これだけじゃご馳走するにはちと安すぎるから、何かデザートでも頼む?」

「あ、別にいいよ。ランチってすごいボリュームだしさ。」

「んじゃ、帰りにケーキでもご馳走するよ。」

「いいよー。そこまでしなくたって。なんだか私も勉強モードに切り替わってきたみたいだしさ。もう大丈夫だよ。」

「そ?」

タイスケがうつむいて、一人でにんまり笑った。

何笑ってんだか。