へ?

初耳だわ。

最近、ちょくちょくタイスケとは週末遊んだりしてて、色んな話してたけど、そういう話はしてこなかったもんな。

「そうなの?え?じゃ、タイスケはどうすんの?進学?」

「そ。」

「そ、・・・って。あんた勉強してんの?」

タイスケは得意気に小鼻を膨らませた。

「お前、あんま知らねーみたいだけど、俺結構成績いいんだぜ。」

「まじでーーー?!」

思い切りでかい声が出た。

幸い、部活の時間にはまだ早いから誰も更衣室にはいなかったようだ。

「最近の流行は文武両道よ。やるときゃやるよ。俺って人間わ。」

ふぅ。

この会話に少し疲れた。

タイスケにしてやられたって感じ。

そういえば、マヨにしても私の知らない間に進路早くから決めてたもんな。

私がとろいだけだったんだ。

「成績いいんだったら、国立狙うの?」

「成績いいからっていうか、うちの親が私立に行かせる金はねー!って言うもんだからさ。半分しょうがなしだけど。」

それは、タイスケの謙遜だと思うけど。

「そうなんだ。国立かー。見かけによらずやるね。タイスケ。」

タイスケを見上げると、タイスケの前髪が太陽の光に透けてなびいていた。