カツヤは彼女と話しながら、私と視線があった。

視線と視線がぶつかって・・・。

しばらくそのまま動けない。

こういう時ってさ、何か言う方がいいの?

それとも気づかないふりすべき?

っていうか、思いっきり目合ってるし、気づかないふりするのも変だよね。

ふぅ。

さっきまで勉強で頭つかってたから、色々考えるの疲れるよ。

ここまできたら、挨拶しちゃえ!

「カツヤ。どうしたの?こんなところで。」

あくまでも偶然を装う。

だけど、私がここにいるってのもかなり不自然な状況なわけで。

カツヤは想像以上に冷静だった。

「ちーっす。最近よく会いますね。ナツミさんこそこんなところで何してんっすか?」

くそ。

逆に私の方が答えないといけない状況に追い込まれた。

私もなるべく冷静に・・・。

「あ、うん。受験勉強しに来てるだけ。」

カツヤは無言でうなずいた。

その時、ものすごい鋭い視線を感じて、カツヤの横の彼女の方を見た。

うわっ。

すごく睨まれてる。