もう一度両手にお湯をためた。

流れ落ちる前に自分の顔にパシャっとぶつける。

誰にも言わなきゃ、わかんない。

私がタイスケを好きだってこと。


タイスケは、私と今まで通りの関係を望んでるんだもの。

私が、タイスケに何も望まなければ、きっと今までに近い関係に戻れるはずだよね。


よし。

受験勉強再開しよう。

タイスケと、勉強して、一緒の大学目指そう。



今までぼんやりとしていた自分の目の前がぱーっと明るくなったようだった。

その選択が間違っているかなんてどうだっていい。

今自分がやりたいことをやろう。

きっとそれが一番正しいことなんだって気がしていた。



お風呂から出た後、本棚の隅にしまいこんでいた参考書と問題集を机の上に積み上げた。

もう後戻りはしない。