カツヤと別れたのは、やっぱり時期焦燥だったのかも。

でも、きっとそれも運命。

誰とも歯車が合わない状態に陥っちゃってる。

自分の足音が妙に軽々しく聞こえた。

「で、タイスケさんとは話できた？」

「あ、ああ、まぁ。それよか、昨日カツヤ、タイスケに話してくれてたんだって？」

「うん。妙な誤解されたら、せっかくナツミさんが告白しようとしてるのによくないなって思って。」

「ありがとね。でも、どちらにせよ惨敗だったわ。」

自分で言ってて薄ら寒くなった。

「惨敗？」

「うん。見事に振られた。タイスケさ、ハルナちゃんと付き合ってるんだって。」

「え？そうなんですか？」

「カツヤもそこまでは聞いてなかったんだ。」

「っていうか、どうして振られるの？」

「知らないわよ。」

思わず声が大きくなった。

カツヤは小さな声で言った。

「すみません。俺、余計なことばっかしちゃってたのかな。」

「カツヤは悪くないし。気にしないで。結局、私って、好きな相手とはうまくいかないのよ。」

カツヤは静かになった。


「俺、マドカとやり直すって言ってたでしょ。」

「うん、どう？うまくいってる？」

「嘘だったんだ。」

「嘘？！」