タイスケは長いため息をついた。

「このまま、俺と友達としていられない?」

「どういうこと?」

「これまで通り、一緒に笑ったり、ふざけたり、勉強したりってこと、続けていけない?っていうこと。」

「できるわけないじゃん。しかもタイスケの彼女がハルナちゃんでしょ?このまま部活続ける勇気すら今ないもん。」

「それは違うだろ。」

「どうして?あんたはもともと女心なんてちっともわかってない。友達友達って、そう言われるたびに私がどんなけ傷ついたと思ってるのよ。」

「友達のどこがいけないんだよ。」

「好きな相手に友達って言われたら、それ以上の発展はないって言われてるようなもんなのよ。あんたにどれだけその言葉投げつけられたかっての。だから、私はタイスケをあきらめて、カツヤと付き合おうって思ったんじゃない。」

「俺にとっての友達って、そんな意味じゃないんだけどな。」

「何よ。」

「さっきも言ったけど、全ての始まりっていうか。とりわけ相手が異性だと、長く付き合いたい相手とは、まずは友達から入らないと続かないじゃん?」

だから何よ。

もういい。

とにかく、私はその言葉で何度も悩んで苦しんだんだから。

それに、今更どうこう言われても、取り返しつかない。

私は、タイスケにふられた。

その事実ははっきりしてるんだから。

「ナツミには、俺が大学いっても、社会人になっても、ずっと大事な存在でいてほしいんだ。それは、本心。」

よくわかんない。

そんなこと、できるわけないじゃん。