その言葉に、ただ笑ってうなずくしかできなかった。

どうしてもっと早くタイスケに自分の気持ち言わなかったんだろ。

カツヤに後押しされたこともあって、少しだけタイスケの返事に期待していた自分。

期待すればするほど、よくない結果があるって、前回で学習したはずなのに。

うつむいているタイスケの横顔を見ながら、自分自身がはがゆくて涙が出そうだった。

「やっぱ、自分の気持ちは、その時にすぐに伝えないとダメだね。」

私は苦笑しながら言った。

タイスケはうつむいたままうなずいた。

「ハルナちゃんとはいつから付き合ってるの?」

「ついこないだから。ハルナから急に告白されてさ。小さい頃から知ってるから、ほんと、全然今まで付き合うなんて対象外だったんだけど。お前らのこともあったし、少し自棄になってたってのもあるけど。」

「え?」

「いや、でも、ほら、やっぱ告白されて急に意識しちゃうってか、女性としてみれるようになったってのもあるんだけどさ。」

慌てて弁解するタイスケ。

結局、私がカツヤと付き合った事情とものすごく似てるわけで。

「ハルナちゃんとはうまくいってるの?」

「うん、まあ。っていうか、付き合ったのもほんの数日前だし、それがうまくいってるかなんていうことすらよくわかんね。」

「ふうん。」

「カツヤとは、結局別れたみたいだけど、お前は本当にそれでよかった?」

「うん。」

「即答かよ。」

「だって、こんな気持ちのままでカツヤと付き合ってたって、カツヤにも悪いし、自分自身も嫌だったからさ。」

タイスケはそのまま黙ってしまった。