タイスケは短く息を吐いた。

「俺は。」

心臓がバクバクする。

どうしよう。

この先、何て言われるの?

少し生ぬるくなったコーラをにぎりしめる。

「ナツミのこと、大切な存在だと思ってる。」

それは・・・友達として?

「正直言うと、お前が松川にふられた頃、お前のことマジで好きだった。」

少しずつ冷静に聞けるようになってきた。

「俺にしちゃ、当時かなりアピールしてたつもりだったんだけど、お前ってかなり鈍感なんだか、全く俺のこと眼中にないみたいだったしさ。俺もそろそろ引き時だよなーって思ってた矢先に、カツヤと付き合うってお前に言われちまったんだよ。」

喉がカラカラに乾いてきた。

タイスケには悪かったけど、コーラを開けて飲んだ。

少し気の抜けたコーラ。

甘ったるい。

「ま、俺もきちんとナツミに気持ち伝えなかったのも悪かったし、そういう運命だったのかなーなんてさ。カツヤもいい奴だし。男の俺から見ても格好いいし、文句なかったからさ。俺もあきらめる他なかった。」

タイスケは長いため息をついた。

「俺、今付き合ってるんだ。」


・・・。



え?



心臓に鋭い矢が刺さったような衝撃。