タイスケだ。

「ちーっす。相変わらず元気だね。」

私はいつもの気のない挨拶。

「なんだよう。明日から春休みだってのに、浮かねー顔してんな。」

「別に、浮かないことはないけど。」

「春休み、どうすんの?」

「春休み?」

別に。

何も考えてない。

とりあえず、二段取るために、部活だけはしっかり通おうかと思ってるくらい。

あとは・・・自分の進路考えるかなぁ。

って、春休みに考えるって遅すぎるんだけど。

「どうせ暇人してんだろ?」

タイスケはカラカラと笑った。

「失礼ね。色々としなきゃいけないことがあるんだから。」

「何やんの?」

「ほら、剣道二段は春になんとしても受かりたいでしょ?あとは、卒業後の進路のことも考えないといけないし。」

「進路?」

「うん。だってもう3年じゃん。タイスケはどうするか考えた?」

「っていうか、今から考えるって遅くない?」

タイスケは吹き出しそうな顔で言った。

じゃ、いつもちゃらんぽらんなタイスケはもう考えてるっていうの?

「えっらそうに!タイスケはもう決めたの?」

少しふくれっつらをして聞いてやった。

「もち。」

?!