部室前は、これから部員がぞくぞくとやってきて落ち着かないよな。

タイスケを裏のベンチに誘った。

タイスケは何も言わずに私の後ろからついてくる。

なんだかいつにない緊張感。

タイスケも何か感じてるんだろうか。


ベンチに座る。

タイスケも少し距離を置いて座った。

コーラをぎゅっと握りしめて言った。

「昨日はありがとね。」

「何が?」

「わざわざ駅までうちの親と一緒についてきてくれて。」

「あ、別に。」

「昨日は何か話があったの?」

「え?まぁ。」

「急ぎだったら今聞くけど?」

「急ぎじゃないし、もうわかったから。」

「わかったって、誰からか聞いて解決したわけ?」

「そう。」

「何?」

タイスケがふぅとため息をついた。

「っていうかさ、まずお前が俺に話しあんじゃないの?」

あ、そうだったっけ。

また自分のペースで話進めちゃってたわ。

「ごめん。そうだったよね。」

深呼吸する。

「あのさ、昨日、カツヤんち行って、まるでうまく行ってるみたいな感じだったけど全くの誤解でさ。」

「聞いた。」

「聞いたって?」