タイスケはそんな私を見てくすっと笑った。

「とりあえず、今は自分の教室に戻ったら?部活前にでも話聞くよ。終ったらすぐ来いよ。」

「あ、うん。ごめん。」

タイスケの教室の扉ががらっと空いて、数学担当の先生が入ってきた。

私は慌てて、後ろの扉から廊下に飛び出した。


ふぅ。

焦ったぁ。

私も早く戻らなくちゃ。


出だしからいきなりこんなんじゃねぇ。

でも、部活前に話できそうだからよかった。

それに、タイスケ、思ったより怒ってなかったっぽいし。


少し気持ちが和らいで、自分の教室に早足で戻った。



今日は、きちんと伝えよう。

どんな結果が待っていたとしても。

このままじゃ、何も変らないし、何も進まないんだもの。


机の前に座ると、国語の教科書を広げた。