私もその日は疲れ果てていたのか、バタンキュー状態だった。

気が付いたら、窓から朝日が差し込んでいた。

時計を見たら、既に7時半。

おおっ。

遅刻一歩手前じゃん!

しかも、今日は朝一番にタイスケに話しようと思ってたのに。

慌てて、制服に着替える。

キッチンへ行くと、お母さんが冷静な顔をして私の食パンにジャムをぬっていた。

「はい、どうぞ。」

昨日の余韻なのかな。

なんとなく、気まずい雰囲気の中、朝食をささっと済ませた。

「いってきます。」

玄関でとりあえず、言ってみた。

「今日は部活終ったらさっさと帰りなさいよ。」

キッチンからお母さんのいつもの調子の声が聞こえてきた。

その声に少しホッとして、玄関の扉を閉めた。


とにかく走る。

ダッシュすれば、学校には15分で着くし。

タイスケのクラスは、私の二つ向こう側。

来てるかな。

必死に走ったはいいけど、タイスケが来てないんじゃ意味ないし。