ジャージに着られたような格好でカツヤの前に立った。

カツヤはくすっと笑う。

「やっぱでかいや。」

「そうだね。でも、びしょぬれでいるよりま数倍マシ。ありがとね。」

カツヤはじっと私の姿を見ている。

いやだ、何だかドキドキしてきたよ。

「かわいい。」

カツヤがボソッと言った。

ひょえー。

またそんなことを。

耳たぶまで熱いよ。

思わず自分の耳を両手で押さえた。

「でも、あんまりかわいいなんて思っちゃいけないよな。俺、マドカとやり直すんだから。」

カツヤは目をそらした。

少し寂しそうな笑顔で。


「あのさ。私カツヤのこと、好きだよ。」

自分でもハッとするような言葉が口から出ていた。

「え?」

カツヤも少し驚いた顔で私を見上げた。