カツヤは持ってきた白いTシャツを勢いよくかぶった。

「俺、ここで着替えちまうから、ナツミさんは奧の部屋使って。」
 
カツヤはそう言うと、奥の部屋の扉を指さした。

とりあえず、ぐしょぐしょになった靴下を脱いで、裸足で廊下に上がる。

ペタペタと音をさせながら、案内された部屋に入った。


ここは、誰の部屋だろう。

清潔なベッドが一つと、いかにも高そうなチェストが置いてあるだけのシンプルな部屋だった。

とりあえず、カツヤに渡された服に着替えた。


あまりにぶかぶかで、思わず笑ってしまう。

ジャージのウェストは、紐で縛ってなんとか調節できたけどさ。

Tシャツなんて、私のふくらはぎの下くらいまであるよ。

これで帰れってか?

でも、びしょぬれの制服よりは数倍マシだった。


着替え終ると、部屋を出て、カツヤの待つリビングへ急いだ。

そう。

私はまだ話の途中だったんだ。